日記・コラム・つぶやき

沖縄の思い出2022.5.14

今から46年前、大学生の私は沖縄への旅に出た。道路工事でためたわずかなお金で、1か月の貧乏一人旅だった。旅の終わり、沖縄本島にたどり着いた私は、あまりの空腹と喉の渇きで、サトウキビ畑に侵入し、盗み食いをした。突然後ろから大きな手が私の肩を捕まえ「何をしている?」と問うてきた。畑の持ち主だった。「もう倒れるので1本頂いてます」と答え、さらに一本引き抜いて、目前でバリバリと食べた。私の顔をじっと見た後、「こっちへ来い」大柄なその人は私の手を引き、畑の外へ連れ出した。ああ、警察に連れて行かれるんかな?と思った矢先、「お前の体は臭い。俺の家に泊まってふろに入れ」と信じられない言葉。そののち、私に夕食をふるまい、次の日に朝食まで食べさせてくれた。私は何度もお辞儀し、その家を去った。東京に帰ってお礼の手紙を書いた。やがて私はNHKに入局し、そのことも報告した。とても喜んでいただいたその方は、すでにこの世にはいない。あの恩を忘れることはない。

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ウクライナ戦争での情報操作について2022.4.8

ロシアの行為を「戦争犯罪だ」と糾弾するウクライナ。「すべてウクライナ側の捏造だ」だと?堂々反論するロシア(驚くべき厚顔?)。いずれにしても、大ウソをついている国がある。そしてその国は、今後、世界の信用を大きく失い、歴史の流れから転落していくのだろう。しかし、今も私の心は混乱する。現在進行中のこの状況の中の真実を、どう明らかにすればいいのだろう?正しい情報と、偽りの情報が交差する霧の中で、勇気ある多くのジャーナリストの報道をつないで、真実の方向性を感じ取っていくしかないのか?あるいは、いずれ解明される?第三者機関の、検証を待つしかないのか?歴史の不条理と混濁。失望と落胆。人間とはなんと罪深い存在なのかとすら思えてくる。

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東日本大震災から11年2022.3.11

東日本大震災から11年。M9.0の観測史上最大の災害だった。プレート型地震は、プレートの接着部分(アスペリティ)がはがれて起きる。それまでは、過去200年ほどの観測データをもとに、どこのアスペリティがどのようにはがれ、地震を引き起こすかがある程度わかっていた。しかし今回、そのさらに遠くの沖合に、1000年単位ではがれる巨大なアスペリティがあり、それらが連動して起きた。未知のメカニズムに地震学者は驚愕し、自信を失った。自然の歴史に比べて、人類の歴史は短い。ことさら科学的知見はさらに短い期間に手に入ったもの。科学の未熟さといえばそれまでだが、私たちは、観測されていないものを、ないものと勘違いすることがある。「ない」のではなく「わかっていない」のだ。「ない」ことは証明できない。

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WFSJ Statement on the conflict in Ukraine2022.3.11

WFSJ Statement on the conflict in Ukraine

The World Federation of Science Journalists (WFSJ) is deeply concerned about the impact of the war in Ukraine on both science and those who report on and write about science. We fear for the physical safety of journalists, communicators and researchers, and their ability to fully engage with their work without threats of reprisal.

The WFSJ, which is a member of the United Nations Economic and Social Council, comprises 69 member associations across the world, representing more than 15,000 individual science journalists, writers and communicators. Many of them are from countries that have current or recent experience of war.

War is a violent disruption to peoples’ lives, and it obstructs the essential work of scientists and journalists. It impacts the quality of journalism and the safety of our members, who are key players in civil society and democracy. It disrupts the scientific research that is key to progress. It disrupts free communication, collaboration and access to data. It disrupts communication around science, essential information that citizens can use to make decisions about anything from technology to health.

In our current reality, war has interrupted global efforts to overcome the COVID-19 pandemic, as attention has swiveled from virus to war. After more than a week of military conflict and media restrictions, violence is escalating, media outlets are subject to censorship, and a humanitarian disaster is unfolding in front of us.

We support negotiations for peace, a peace that is just and fair and serves all human beings. We stand by the members of our community who continue to work in extremely difficult environments. We hope that international diplomatic efforts will soon result in a peace agreement, so the massive destruction can stop and the healing can begin.

 

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ロシアは野蛮な行為をすぐやめるべきだ2022.2.27

けだもののような欲望を理論や理屈で正当化し、野蛮な行為で人間の心をねじ伏せようとする信じられない光景。国の駆け引きで使われる「正義」の言葉の中で、今日も無辜の市民が苦しんでいる。このようなことが許されるはずがない。

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8月6日の記憶

76年前、私の父(故郷が岡山)は8時15分頃に広島駅に到着する汽車に、友人とともに乗ることになっていた。しかしその朝、腹痛があり母親に強く止められた。友人たちは汽車に乗り、原爆で死亡した。自分だけが生き延びた負い目からか、父は、子供のころの私を何度か?原爆資料館に連れて行った。資料館はこわかったが、それが私の子供心の原風景の一つとなった。大学を卒業したのちNHKに入局し、なんの運命かヒロシマ局に2年間勤務したことがある。多くの被爆者の方々から、様々な体験を聞いた。番組に出演したサハロフ博士のアドバイスが、僕をチェルノブイリに赴かせた。被ばくの荒野で、放射線被ばくには「体の被ばく」とともに「心の被ばく」があることを知った。今日はオリンピックのさなかの原爆の日。時が流れ、人々の記憶が薄れていく。

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立花さん、安らかにお眠りください。

立花隆さんが亡くなっていたとのニュース。愕然とした。このところ音信がないので、どうされているのかと思っていた。立花さんとはNHKスペシャル人体「脳と心」の時以来のお付き合いで、いくつも思い出がある。突然携帯に「タチバナです・・」と電話が来て、ぼそぼそと私に質問してきた。私が解説委員だったころ、テレビ出演した時は「今見ている。面白い」とメールをくださった。退職時も「これからは自由で面白いぞ」と激励してくださった。NHK理事が表敬訪問したいといった時は、忙しいからと断るくせに、若輩ディレクターだった私のロケ(高野山での空海の修行の脳科学実験)には一升瓶2本を携えてふらりとやってきた。権威ではなく、好奇心に導かれた人だった。明け方4時まで泥酔し、文字と映像のパワーについて激論したこともある。私にとって、いや多くのジャーナリストにとって、頼りになる兄貴だった。顎に手を添え、上目遣いで話しかけてくる、茶目っ気のある顔が瞼に浮かぶ。立花さん、お世話になりました。どうぞ安らかにお休みください。

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10年前、僕の心が変わった。2021.3.11

正直言って、10年前まで、 新宿のネオン街で飲んでいるとき、電気が福島から送られてきているという意識はなかった。知識はあったが実感がなかった。お金さえ払えば、電気はどこからか届くもの。「私電気使う人。あなた電気作る人」・・そんな精神構造だった。しかし、あの事故で考えが変わった。わずか一か所の出来事が、日本全体をマヒさせる状況の異常さ。大量生産、大量消費の社会モデルの暗くて深い落とし穴。災害が起きても持ちこたえる、しぶとい社会とはどんな社会なのだろう?多様な要素で支えられ、人間の絆で裏打ちされているような地域の在り方を、もっと考えなくてはならない。

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安野さん、安らかにお眠りください。

安野光雅さんが亡くなった。NHKスペシャル人体「脳と心」の時、アドバイザーとしてずいぶんお世話になった。笑顔が素敵な、才能あふれる巨人だった。乳離れ直後の次男のことを年賀状に書いたことがある。もう大きいのだから、おっぱいを飲むのはやめなさいと諭したら「もちゅだて(持つだけ)」とせがんできた。その文章を読んだ安野さんは、「気持ちがわかる。感動した」と返事をしてきた。我が家の中にやさしい空気が流れた。愛に満ちた人だった。安野さん、安らかにお眠りください。

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阪神・淡路大震災26年

阪神・淡路大震災から26年。早朝、Nスペ班の同僚から突然の電話。「ムロちゃん、すぐテレビをつけろ!」画面には黒い煙が数か所から上がるヘリ映像が流れていた。最初はぴんと来なかった。しかし時間が過ぎるにつれて、ただ事ではないことがわかった。NHKに出社し、クローズアップ現代のチームを集めた。3週間前に起きた三陸はるか沖地震を取材しているチームにも電話し、そのまま神戸に向かえと指示した。青森県では、建築基準法改正前の住宅が倒壊しており、その問題をクロ現で警告するはずだった。しかし放送は中止となった。同じことが神戸で大規模に起きていたからだ。神戸には陸路では行けず、船をチャーターして海から上陸した。NHKではじめて大量の携帯電話を使用した。私はNスぺの統括プロデューサーとなり、現地から3日後の放送の臨んだ。下着も持たず、1か月間大阪局の廊下で睡眠をとった。自然災害の恐ろしさ。あの日のことは忘れない。

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