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2022年4月

ウクライナ戦争での情報操作について2022.4.8

ロシアの行為を「戦争犯罪だ」と糾弾するウクライナ。「すべてウクライナ側の捏造だ」だと?堂々反論するロシア(驚くべき厚顔?)。いずれにしても、大ウソをついている国がある。そしてその国は、今後、世界の信用を大きく失い、歴史の流れから転落していくのだろう。しかし、今も私の心は混乱する。現在進行中のこの状況の中の真実を、どう明らかにすればいいのだろう?正しい情報と、偽りの情報が交差する霧の中で、勇気ある多くのジャーナリストの報道をつないで、真実の方向性を感じ取っていくしかないのか?あるいは、いずれ解明される?第三者機関の、検証を待つしかないのか?歴史の不条理と混濁。失望と落胆。人間とはなんと罪深い存在なのかとすら思えてくる。

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「新型コロナとSDGs」2022.4.5

「新型コロナとSDGs」

室山哲也(日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ)会長)

 

「もし人類が滅亡するとしたら、どんなプロセスをたどるだろうか?」

オックスフォード大学が、2015年に発表した「人類滅亡12のシナリオ」には、人類の未来を左右するさまざまな項目が並んでいる。

「気候変動」から始まり、「核戦争」「生態系の崩壊」「グローバル経済での格差拡大による国際システムの崩壊」「巨大隕石衝突」「大規模火山噴火」「バイオハザード」「ナノテクによる小型核兵器開発」「人工知能」「超汚染物質や宇宙人の襲来など未知の出来事」「政治の失敗」と続く中、3番目に「パンデミック(新興感染症)」があがっている。

私たちを悩ませている「新型コロナウイルス」は、この新興感染症の一つ。人間が、自然の奥深く侵入し、免疫をもたない「未知のウイルス」に感染し、現代社会の交通網に乗って世界中に拡大するメカニズムだといわれている。

ウイルスの変異は活発で、人間がたたいてもたたいても、新しいタイプのウイルスが現れる。このため、先進国だけが対策しても、開発途上国などの対応が遅れれば、変異が繰り返され、タチの悪いウイルスが現れ、先進国に再流入し、イタチごっこは終わらない。この構図は、人類全体で取り組まなければ根本的には解決しない点で、SDGs(持続可能な開発目標)のテーマそのものだと言える。

SDGsは、15年の国連サミットで、193カ国によって採択された。「環境問題」「貧困」「紛争」「格差」「健康問題」など、30年までに解決すべき17の目標が掲げられ、その下に169のターゲットが並んでいる。一見ばらばらの目標に見えるが、実はこれらは、根底で関連し合い、影響し合っている。

そしてその最も根本の部分に、「地球環境」があるのではなかろうか。

「命あっての物種」という言葉があるが、自然環境や生態系が壊れれば経済も、政治も、文化も成り立たないからだ。

産業革命以降、人類の人口は急激に増加し、地球環境に大きな負荷を与えてきた。エコロジカルフットプリントという指標でみると、人類は、すでに地球1・7個分の生活をしており、今の文明のパターンのまま、人類全員が日本人の水準の生活をすると、地球が2・8個、アメリカ人の水準の生活をすると、5個必要になるというデータもある(14年データ)。

地球は1個しかないわけで、このままでは、地球環境は疲弊し、資源は消耗し、私たち人間は、持続可能な生活を続けることはできなくなる。

これからは、私たちは「地球1個分の生活」をしながら、持続可能で、しかも豊かで質の高い生活をする方法を探さなければならない。

ではどうすればいいのか?

重要な方法の一つにテクノロジーがある。科学技術は、イノベーションと絡めていけば、効率がよく、最適で、人間を幸福にする社会をつくる力がある。中でも、自動車のありようは大きな影響を及ぼすものの一つだ。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の方向性に従って、自動車が進化していくことは、今後の社会を大きく変える原動力になるに違いない。

(日刊自動車新聞2022年4月4日掲載)

 

室山哲也氏(むろやま・てつや)

1953(昭和28)年、岡山県倉敷市生まれ。76年NHK入局。「ウルトラアイ」「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」などの科学番組、特集番組チーフプロデューサー、NHK解説主幹などを務めた。テクノロジー、生命・脳科学、地球環境問題、宇宙開発など、「人類と科学技術文明」をテーマに論説し、子供向け科学番組「科学大好き土よう塾」(教育テレビ)の塾長として科学教育にも尽力。モンテカルロ国際映像祭金獅子賞、銀獅子賞、レーニエ3世賞、放送文化基金賞、上海国際映像祭撮影賞、科学技術映像祭科学技術長官賞、橋田壽賀子賞ほか受賞多数。現在、日本科学技術ジャーナリスト会議会長。東京都市大学特別教授。

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