キラリ「日本初 めざせ!月面着陸」2015.6.19
(アナ)
月探査をめぐって、各国の動きが再び活発化。JAXAは、日本初の月面着陸機「SLIM」を、2019年度に打ち上げる議論を始めている。室山解説委員。どんな計画?
(むろ)
日本は今までは月周回(かぐや)はあったが、月面着陸は、成功すれば初めて。月面探査機SLIMには、意欲的な特徴が色々ある。まず重量130キログラムの小型機。「画像認識」で月面を解析しつつ、「軽量衝撃吸収」メカで着陸する仕組み等がある。
(アナ)
そもそもなぜ月へ?
(むろ)
2013年に中国が月面着陸したのち、再び活発化してきている。NASA情報によれば、旧ソ連はルナ9号の着陸(1966)ほか8回無人着陸に成功。アメリカはサーベイヤー1号(1966)ほか、のべ11回月面着陸成功(アポロ11号(1969)など有人着陸6回を含む)。中国が2013年、嫦娥3号で無人着陸に成功したのち、ロシア、インドなど月面着陸の計画がでている。もし日本(SLIM)が着陸に成功すると、世界で4番目の国となる。
(アナ)
月探査の目的はなんなのか?
(むろ)
まず科学的探査で太陽系や地球の成り立ちを調べること。次に資源探査(鉱物、水、ヘリウム3)。その先には、月面基地を想定した動きもある。これらの宇宙開発は、その国の世界でのステータスを高めることにもつながる。
(アナ)
SLIMの特徴は?
(むろ)
着陸精度が高いこと。各国の探査機は、着陸誤差が数キロだったが、SLIMは画像認識メカなどを使って、誤差数百メートルの「ピンポイント着陸」が可能。世界から注目されている。
(アナ)
ピンポイント着陸の重要性とは?
(むろ)
未来の宇宙探査のキーテクノロジーの一つ。天体探査の効率を上げ、コストダウンにもつながる。日本は「かぐや」等の経験とリンクし、さらに相乗効果を生み出すことができる。
(P3)
これは、かぐやのデータをもとに作った月面地図。表面の凸凹が精密に、くっきりと分かる。この地図を利用すれば、精度の高い探査が可能になる。
今までの探査で、月面に、縦穴構造(溶岩チューブ)を3か所発見されているが、これは中が洞窟状になっており、ピンポイント着陸で、ここに月面基地を建設すればどうかという意見もある。
(出る)
また極地にも、月面基地候補が複数ある。「クレーター」内には豊富な氷が期待され、「太陽光」が常時照射している場所も分かった。この二つの条件を兼ね備えた場所も月面基地候補といえる。
(アナ)
日本の技術は、世界にどう貢献できるか?
(むろ)
今後、各国が月面基地を建設したり、太陽系探査をする「大航海時代」がはじまる。火星。惑星。天体探査と、ピンポイント着陸が果たす役割は大きい。
(アナ)
今後のスケジュールは?
(むろ)
JAXA議論をへて、2019年度、イプシロンで打ち上げることを目指している。成功を祈りたい。
(アナ)
ありがとう。
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