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松本サリン事件20年

今から20年前、あの松本サリン事件が起きた。私はNHKスペシャル「驚異の小宇宙人体2:脳と心」のディレクターから、クローズアップ現代のチーフプロデューサーになったばかり。その第一作目が「松本サリン事件」だった。報道フロアで多くのスタッフと議論し、私たちはこの奇妙な事件の仮説を立てた。有機リン系の農薬と何が混ざるとサリンになるかから始まり、近くの大学の焼却炉で高温で化学物質が熱せられ、大気の放出後、逆転層でサリンが落下した可能性まで検討した。しかしどの仮説も、決め手を欠いていた。一つだけ言えたことは、当時犯人とされていた河野さん説は、どう見ても無理があるということ。私たちは河野説は取らず仮説を列挙する構成を採択した。理論で詰めていくと有る疑問に行き着いた。「まさかテロじゃあないですよね」と私が発した言葉に周囲が凍りついた。そうだ、そんなことあるわけない。この荒唐無稽な説はその場でやり取りされただけで、消えていった。しかし、その後地下鉄サリン事件が起き、犯人がオウム真理教だと分かり、不安が的中していたことが判明した。この一連の出来事は、新米のプロデューサーの初陣として、苦々しい思い出として、私の心に今も残っている。多くの被害者の皆様のご冥福を祈らずにはいられない。

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