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時論公論「どう向き合う?地球温暖化」2013.9.30

●オープニング

ここ2.3日のニュースで「地球温暖化」という言葉を、久しぶりに聞いた方は多かったのではないでしょうか?特に震災以降、私たちの関心は、防災やエネルギーに集中し、「温暖化」を忘れたかのような状態でした。しかし、先週金曜日、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が、6年ぶりの報告を出し、「地球温暖化」が、深刻な状況に陥っていることが、改めて分かりました。今夜は、地球温暖化の現状をまとめ、この問題にどう向き合っていくべきかを考えたい。

●IPCC5次報告で何がわかったか?

今回の報告の内容をざっくりいうと、「温暖化は悪化し」「原因のCO2濃度も上昇を続け」「北極や南極などの氷の消失が進み」「海水面が一層上昇した」ということです。そして温暖化の原因を「人間活動である可能性が極めて高い」と、前回よりも強い言葉で表現しました。異常気象について触れたのも特徴です。今年の夏、日本や世界で異常気象が頻発しました。日本の猛暑や大雨をはじめ、各国でも様々な被害が出ました。IPCC5次報告は、「このまま温暖化が進むと、世界のほぼ全域で、極端な高温が増え、中緯度の大陸と、熱帯で、極端な雨が頻繁に降るようになる可能性が非常に高い」と指摘しています。この発言は、地球温暖化が、単なる気温上昇にとどまらず、複雑な気候変動や気象の混乱を生み出すことを示しています。

(P2)これは世界の平均気温です。1880年から2012年までに、すでに0.85度上がっています。温暖化の原因のCO2濃度は、上昇し続け、今年5月9日、アメリカハワイで、日平均濃度が400ppmを超えるという記録が出ました。人類が大量のCO2を出し始めた産業革命前の、280ppmから4割も増加しています。IPCCは、「今後、温室効果ガスを減らす、有効な対策が取られなかったら、今世紀末に、地球の平均気温は、最大4.8度上がる」と予測しています。4.8度の気温差は、東京が奄美大島並みの気温になることを意味しています。

(P3)温暖化が進むと、海水が暖かくなって膨張するため、水面が上昇します。今回の報告では、「このまま温暖化が続くと、今世紀末には、この20年間と比べて最大82センチ海面が上昇する可能性が高い」としています。この数字は6年前の報告よりも大きく、南極とグリーンランドの氷床が、温暖化で海に滑り落ちる分が、海面上昇につながったことが反映されています。

環境省によると、日本の場合、海面が65センチ上がると、全国の砂浜の8割が消失します。

(P4)温暖化の影響が、特に大きいのが、北極海です。去年の海氷面積は、1980年に比べて、半分以下、史上最少となりました。写真を見ると海の様子も激変しています。氷の質も、年を超える「多年氷」から、一年ごとにできては消える「1年氷」に変わっています。IPCC5次報告は「CO2削減の対策を取らなければ、今世紀半ばまでに、夏の北極海の氷は消滅する可能性が高い」と警告しています。北極海の氷は、南極の氷とともに、太陽光線を反射し、地球全体の気候を安定させています。しかし、氷がなくなると、太陽光線で海が直接暖められ、さらに氷が溶けるという悪循環に陥ります。また、氷が減少すると、逆に日本では寒波が増える傾向もあります。

最近、北極海の氷が解け、船が通れる航路があらわれはじめました。今までよりも短い距離で外国に行けるため、各国の船が集中し、一大交通ルートになろうとしています。また、北極海周辺は資源の宝庫で、世界の25%の石油や、30%の天然ガスがあり、採掘競争が始まる可能性もあります。もし人類が、北極海に殺到し、無制限に化石燃料を掘り出し、今までと同じように燃やしつづけたら、大量のCO2が放出され、温暖化がさらに加速される悪循環が始まってしまいます。北極圏は、私たち人類の文明の在り方を考える、象徴的な場所になりはじめています。

●出てきた新たな課題

実は、研究者たちを悩ませているデータが、一つあります。それは、この15年、地球平均気温の上昇がそれほど伸びていないという現象です。CO2濃度や海面が上昇しているのに、なぜそれほど気温が上がらないのか?

地球温暖化そのものへの疑問とか、CO2の増加と地球温暖化との関連を否定する声すら出はじめる中、IPCC5次報告は、この点についても説明しています。

これは、東京大学が発表した、海水温度の変化です。上が海面、下は700mよりも深い層の水温です。温暖化に伴って、まず、海面の温度が上がっていきますが、20年ほど前から、海の深い層でも、水温が上がってきています。東京大学は、「地球温暖化であがった大気の熱の一部が、海洋の深いところにも吸収されはじめているのではないか」と見ています。これはある意味、海の深いところの水が、地上の温暖化を食い止めてくれている形です。しかし、研究者によると、この現象は、10年-20年の間隔で繰り返されているため、今後、再び温暖化が加速する可能性があるとしています。このように、地球温暖化は、私たちの想像を超えた、複雑なメカニズムで、揺れ動きながら進行しています。

●温暖化にどう向き合うか?

私たちは、地球温暖化にどのようにむきあい、行動していけばいいのでしょうか?

まずなによりも、温室効果ガスそのものの排出を減らし、温暖化の原因を取り除く必要があります。そのためには、省エネを進め、再生可能エネルギーの育成、天然ガスなどCO2排出が少ないエネルギーへのシフトが大切です。最近、指摘がされはじめているのは、温暖化の被害そのものに対する対策の必要性です。残念ながら、温暖化は止まらず、このままでは、高潮や猛暑などで、何らかの被害が出ることを覚悟しなければなりません。高温に耐える農作物の品種改良も急務です。影響を受けやすいのは、対応力の弱い開発途上国です。日本は先進国の一つとして、国内だけでなく、弱い立場の国々への配慮もしていく必要があります。今年11月、地球温暖化を食い止めるための国際会議COP19がポーランドで開かれます。日本は、原発事故後、エネルギー政策の方向性をまとめきれず、温暖化対策を明確に打ち出せていません。

今回のIPCC報告は、私たち人類を取り巻く温暖化の深刻さを、改めて浮き彫りにしました。地球温暖化に対して、私たちがどう向き合い、克服していけばいいのか。その姿勢を、いまあらためて考えなおすべき時だということを、もう一度、自らに言い聞かせる必要があります。

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