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くらし解説「はばたけ!超小型衛星」2012.9.12

(アナ)

7月中旬、日本の国産ロケットH2Bで打ち上げられた、5機の超小型衛星が、まもなく宇宙ステーション実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出される。最近注目されてきている超小型衛星とは? 室山解説委員。どんなもの?

(むろ)

人工衛星は巨大なイメージだが、超小型衛星はとても小さい。たとえば東京大学が開発したものは10センチ立方、重さ約1キロ。このような超小型衛星5機が、今宇宙ステーションで放出を待っている。

(アナ)

なぜ宇宙から放出?

(むろ)

超小型衛星の開発が注目される中の実験の一つ。超小型衛星は、普通はロケットに直接搭載して打ち上げるが、今回は、日本の宇宙ステーション補給機こうのとりに梱包してのせ、宇宙空間から放出する試み。そうすれば打ち上げの振動や衝撃を和らげることもできる。

(アナ)

5機の超小型衛星は放出後どんなことをするの?

(むろ)

地球環境の撮影や、温度分布、通信実験などをして、実用化に備える。

(アナ)

なぜ超小型衛星に注目が集まっているのか?

(むろ)

超小型衛星は、今までの宇宙開発に、新しい時代を切り開く特徴がある。いま、地球観測のニーズが多様化しているが、企業が目的に応じて、自前の衛星を持ち、環境観測をする。例えば、農地の作物の状況をみるとか、宅地開発の状況をみるなど。そのニーズにこたえるのが超小型衛星。「マイ衛星」ともいえる。

(アナ)

従来の衛星とどうちがうのか?

(むろ)

大型衛星は数トンの重さで巨大。多機能で高度な能力を持つがコストもかさむ。製作期間は8-10年と長く、部品は特注だが古いものになる。ところが、超小型衛星は短期で作れるため、部品も民生品なども利用でき、コストも安くて済む。「早く作れ、安く、新鮮な情報を扱える」。そのため、特定の巨大企業だけでなく、中小の企業でも製作に参加でき、技術的、経済的、社会的刺激が大きい。

(アナ)

小型衛星でしかできないことは?

(むろ)

たとえば、群れで飛ばせば、特定の地点を頻繁に観測できたり、立体撮影も可能になる。これは高機能だが一つしかない大型衛星にはできない。また今年末、日本初の実用超小型衛星が打ち上げられるが、これも注目。日本の民間気象会社が行うもので、地球温暖化で進行中の北極海の氷の縮小を観測する。実は今、北極海では、氷の縮小で北極航路ができ始めているが、その様子を1日16回周回観測し、海運会社等に配信する予定。

(アナ)

宇宙ゴミは大丈夫?

(むろ)

そこが問題の一つ。今回放出される超小型衛星の中には、宇宙空間で幕を広げ、スピードを落として地球に落下し、燃え尽きる実験をするものがある。また、超小型衛星は、大学生が教育目的にかかわることもできる。若い力で上手に育ててほしい。

(アナ)

ありがとう。

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コメント

  国際宇宙ステーションから実験放出される10cm立方、重量1kgのキューブサットが注目されてます。このサイズは「大学生などの教育目的」が主ですが、一回り大きい50cm立方、重量50kgクラスの超小型衛星は、完全に実用目的です。光学カメラで30cmのものまで判別できる大型衛星(1基が数百億円)と違って、分解能は5m程度しかありませんが、とにかく安く(数億円)作れるので、たくさん打ち上げることにより地上を頻繁に観測することができます。

  この分野の第一人者である中須賀・東大教授は政府の宇宙政策委員に就任されましたし、同じ研究室にお勤めの山崎・元宇宙飛行士も委員になられています。7人で構成される宇宙政策委員会に関係者が2名も入っていることから、今後は超小型衛星の開発・利用が強く推進されるものと思われます。精密製品の小型化は我が国のお家芸ですから、優秀な中小企業群がイノベーションを引き起こしてくれることを期待しています。

  また、「自国で製作」でき、「自国で運用」できること、からアジア諸国も「国威発揚」の意味で大きな興味を持っているはず。大型衛星メーカは(安保機密管理上の理由で)で技術協力ができないでしょうが、超小型衛星を作っている大学や中小企業ならそれが可能で、アジア諸国は「自国の技術者の能力アップ」も図れる。我が国が売り込みたい500 kgクラスの衛星や、H2Aなどの打上げロケットを、人気グループ「CD」とすれば、50cm級の超小型衛星の開発支援は「握手券・投票権」の役割を果たします。

  室山先生が司会をされた昨年のJAXAシンポでは「宇宙産業の海外展開」が論じられましたが、パネラーの衛星・ロケットのメーカ首脳は一様に「手掛かり難だ」、「国はもっと支援を」と情けないコメントを連発された(涙)。ところが、そのヘタレ参加者の一人(イプシロン・ロケットを作っている)大企業 IHIエアロスペース社の石井社長が、今週発売の「プレジデント」に自信溢れる笑顔で登場している。超小型衛星を作っている群馬県の中小企業に資本参加(51%)し、社長として常駐されているそうだ。ロケット売込みの、有力な手掛かりを発見されたのではないか?

投稿: nni | 2012年9月15日 (土) 09時13分

もう10年以上前のことになりますが、米国の人工衛星のメーカーを見学する機会を得ました。そしてその標準化が進んでいるのを知り、それを可能としているのは市場規模であることを知りました。
 人工衛星は用途により大型のものでないと実現できない分野も多いのが実際です。ニュースとしては超小型衛星は注目すべきものですが、日本の人工衛星の市場規模を考えた場合、メーカーが厳しい状況にあることは理解すべきと思います。

投稿: Makoto Ichikawa | 2012年9月15日 (土) 11時54分

  実績とコスト競争力に劣る後発組の悲哀で、商業静止衛星(大型)での我が国のシェアは僅か1%(2010年:82基中1基)。直近は、メーカーの努力や政府の「パッケージ輸出」などの応援で、少しずつ増えている。今後予定されている準天頂測位衛星では「広義の安全保障が目的」として、国際入札の対象外とされるのではないか。そうなれば、大型衛星メーカーは収益的に安定するのでは。

  ただ、同じ衛星でも「大型」と「超小型」は全くの別物。超小型実用衛星はこれから普及するもので、「何に使えるか?」も同時進行的に研究されている。(パソコンが普及する前の)メインフレーム全盛期に「コンピュータの用途は?」と聞けば、大型機を前提にした答えしか返ってこないのと同じだろう。

  これから凄まじいスピードで、超小型衛星のバスやコンポーネンツの標準化が進み、高信頼度、低価格、短納期が実現されていくと思う。それに伴って、「超小型衛星で実現できる分野」が爆発的に増えるだろう。新産業の産声が聞こえる。

  石井氏が社長になられた「スーパー町工場」は伊勢崎市にある。渋谷からなら、最寄のJR本庄駅までは乗り換え無しで90分だ。月周回衛星「かぐや」に搭載されたNHKのハイビジョン・カメラを作ったのも同社なので、「論説委員の室山だ」といえば国賓待遇で工場見学させてもらえるのではないか。百聞は一見に如かずだ、宇宙産業のダウンサイジングの「現場」を一度見ておかれたらどうか。

投稿: nni | 2012年9月15日 (土) 13時40分

プレジデント・オンライン
http://president.jp/articles/-/7282

投稿: nni | 2012年10月 1日 (月) 21時13分

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