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テレビマンの育児日記4「親の心を傷つける善意のアドバイス」

自閉症の娘を育てて23年。ずっと続いている悩みがあります。それは、自閉症などの発達障害の原因が「脳」にあるということを、伝えることの難しさです。発達障害の子を持つ親が最初に直面する悩みの一つに「大丈夫よ。きっと良くなるから」という言葉があります。この言葉は親戚や、親しい友人など、発達障害を知らない人から善意で発せられる場合が多いのですが、一つ落とし穴があります。それは、自閉症が脳由来の障害だということを理解していないがために、「今まできちんと育ててこなかったからこんな子が出来た」と言う考えに直結する場合があるからです。心の発達は「脳」と「環境」で決まります。しかし、「発達障害の原因が脳にある」という考え方が医学的に成立する前、発達障害は育て方の結果だと考えられた時代がありました。特に母親は、「赤ちゃんの時の育て方が悪かったのではないか」など、様々な自責の念にかられています。そんなとき発せられる「大丈夫よ、きっと良くなる」という言葉は、「発達障害は治さなければならない病気だ。治らなければ負けだ」「環境を変えればすぐ治る(あなたのせいだ)」という残酷な言葉となってしまうのです。私達は、発達障害を引き起こす原因が脳にあることをきちんと把握し、それを踏まえた上で、その子の特性を理解し、教育の環境作りをしながら、成長を誘導していく必要があります。発達障害の子を育てる主体が母親の場合は、母親を孤立させてはなりません。父親は、仕事の忙しさを理由にせず、育児に奮闘する母親をバックアップし、特に精神的に励ます必要があります。その他の家族や親戚も同じです。この連係プレーを作り上げるのはとても大変ですが、何とか進めていかなければなりません。もう一つ。育児に疲れたら、レスパイトサービスなどを使って子供を預け、映画やショッピングに出て鋭気を養うことも重要です。発達障害の子とともに生きていくのはマラソンのようなもの。あせらずゆっくりと、気長に取り組んでいきましょう。私達夫婦が、23年の子育てで辿り着いた結論は「みんなで幸せになる」事が大切だということでした。

シリーズ1-4

http://www.musashino-higashi.org/education-center/advisory-message.htm

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