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2011年4月

最低にして最高の道

今テレビで紹介された素敵な詩です。

もう止そう。
ちいさな利欲と ちいさな不平と
ちいさなぐちと ちいさな怒りと
そういううるさい  けちなものは
ああ、きれいにもう止そう
わたくし事の いざこざに
見にくい皺を 縦々よせて
この世の地獄に 住むのは止そう

こそこそと 裏から裏へ
うす汚い 企みをやるのは止そう
この世の 抜け駆けは止そう
そういう事は ともかく忘れて
みんな一緒に 大きく生きよう。
見えも かけ値もない裸の心で
らくらくと、のびのびと
あの空を仰いで われらは生きよう。
泣くも笑うも みんなと一緒に
最低にして 最高の道をゆこう。

           詩:高村光太郎

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時論公論「放射能とどう向き合うか」2011.4.26

  リード

今日は、25年前、チェルノブイリ原発事故が起きた日です。世界中が震撼し、炎上した原子炉の収束に10日間が費やされました。東京電力福島第一原発の事故は、大量の汚染水に阻まれ、1か月半たった今も収束せず、放射性物質が出続けています。この長い闘いに、私たちは、どう向き合えばいいのか?今夜は「放射性物質」と私たちの関わりについて、考えてみたいと思います。

  わかってきた汚染状況

原発から放出された放射性物質の分布は、今、どうなっているのでしょうか?福島大学が測定した結果をみると、現在分布している放射性物質のほとんどは、3/15に放出されたもので、風に乗って、30キロの範囲を超え、北西方向に移動し、山肌を覆うような形で、落ちて行ったと推測されます。福島市、郡山市にも、薄い分布がありますが、風が、さらに山を越えたか、南西から北方向に大きく曲がったかした後、放射性物質を雨が落として、飛び地状になったのではないかと考えられています。チェルノブイリでもそうでしたが、放射性物質の分布は、このように予想できない形になります。この図に、政府が予測した、今後1年間の積算線量をかさねると、等高線状の分布があらわれます。政府は、年間積算20ミリシーベルト以上の場所を「計画的避難区域」とし、3000世帯およそ1万人の住民に対して、1か月をめどに避難するように呼びかけました。さらに、すでに住民避難が行われた20キロ圏内を、法律で完全に立ち入り禁止とする「警戒区域」とし、20-30キロの「緊急時避難準備区域」の住民には、今後、緊急時には、自力で屋内退避や避難をするように要請しました。なぜ20ミリシーベルトが、避難の基準なのでしょうか?これは放射線の人体への影響を示す図です。年間100ミリシーベルトは、通常の緊急作業員の被ばく限度で、健康被害の目安とされています。それ以下の場合は、放射線によるいわゆる急性症状が出ず、将来がんになる確率も下がっていきます。

4年前、国際放射線防護委員会ICRPは、これらの研究成果も踏まえ、原発事故など緊急時の一般人の被ばく量を、年間20-100ミリシーベルトにとどめるべきだと勧告しました。今回の方針は、その考えを取り入れ、最も厳しい「20ミリシーベルト」を採用したものです。

●住民の体は大丈夫か?

では、これらの対策で、住民の健康は守られるのでしょうか?人体への影響で、主に問題になるのが、放射性ヨウ素と放射性セシウムです。チェルノブイリ事故では、放射性ヨウ素が人体に取り込まれ、子供の甲状腺がんが多発しました。住民は、長い間事故の実態を知らされず、大量の放射性ヨウ素が、食べ物を通じて体内に入ったのです。今回の事故でも、まず心配されたのが、子供への影響でした。国の原子力災害現地対策本部は、3月28日から3日間、後に計画的避難区域となる、飯舘村(いいたてむら)や川俣町(かわまたまち)の、15歳以下946人の子供を対象に、甲状腺の被ばく量を測定しました。そして、国の基準値の1時間0.2マイクロシーベルトに対して、最高でも0.07マイクロシーベルトで、問題ない数字だということを確認しました。放射性ヨウ素は、放射線の量が半分になる「半減期」が8日と短く、その後、原発からの大きな放出もないため、危険性は徐々に弱まっていると考えられます。もう一つの「放射性セシウム」はどうでしょうか。チェルノブイリでは、大量の放射性セシウムも放出されましたが、住民の健康被害との因果関係は確認されていません。しかし、放射性セシウムは、半減期が30年と長く、環境にとどまって生物濃縮などを起こすため、農作物(のうさくぶつ)や水などの環境の管理が必要となります。細川厚生労働大臣は、先週20日の衆議院厚生労働委員会で、今後、住民一人ひとりの、今までの行動と居場所を照合し、被ばく量を広範囲に調査する必要性があると述べました。そうすることで、一人ひとりの健康チェックがきめ細かくできるばかりでなく、避難が終わって再び故郷に戻るとき、被ばく量を積算して、どの地域にどのくらい住むことができるかを判断することができます。その意味でも、被ばく量の測定は、今後早急に検討しなければならないことの一つです。今、避難区域に指定されていない地域で、一つの波紋が広がっています。文部科学省は、先週19日、福島県内の学校などの限界放射線量を、1時間当たり3.8マイクロシーベルトと設定しました。この数値は、ICRPが示した、事故復旧時の放射線基準に基づいたものですが、測定の結果、13の保育園、幼稚園、小中学校で目安以上となり、屋外活動を1日1時間に制限することにしました。また、福島県内の5つの公園でも、基準以上の数値が測定され、同じ措置が取られました。学校では、今後週一回程度の線量調査を続け、2回連続で基準を下回れば、通常の状態に戻す計画ですが、子供の健康にかかわることだけに、一刻も早い対策が必要です。すでに、一部の地域では、表面の土を削って取り除くことも検討され始めています。

●汚染地図を完成させよ

私たちは、今後、どのように放射能と向き合えばいいのでしょうか?そのためには、正確な汚染マップを一刻も早く作ることが大切です。放射性物質は同じ場所でも、水の流れ方、土の性質で、数値が大きく変わります。今後は、現実に即した細かいマップを作り、それに従って、避難や土地利用のあり方を決めていく必要があります。

水の動きも重要です。産業技術総合研究所が、福島第一原発周辺の地層を調べたところ、一番上に、地下水が流れる5メートルほどの砂と土の層があり、その下に、水を通しにくい20メートルほどの粘土層があることがわかりました。青と赤の矢印は、原発から30キロ付近の地下水の流れの方向を示しています。青は、円の内側に、赤は外側に向かっています。地下水のほとんどは内向きで、放射性物質が混入した場合、海に流れ出します。また、30キロ圏の境の一部では、円外に向かっているため、この地域が放射性物質で汚染されていた場合、近くの町や市の方向に、ゆっくりと汚染が広がる恐れがあり、さらに詳しい調査が必要です。また、今後、この地域に井戸を掘る時、粘土層の下から水を汲みだせば、放射性物質を含まない水を、農業用水や工業用水として利用できることもわかりました。このように、放射性物質の分布や、土地の仕組みを立体的に知ることは、今後の復興の有力な足がかりになるのです。

●まとめ

放射能との闘いを終えるために、今、何よりも必要なことは、原発事故そのものを、一刻も早く止めることです。福島原発では、およそ900人の作業員が、十分な栄養と睡眠がとれず、極度の疲労とともに戦っていますが、働く環境を大幅に改善し、全面支援することが急務です。一方、私たち市民は、放射性物質に対して、科学的な目を持ち、冷静に、向き合う必要があります。風評に惑わされず、過度に恐れず、正しく怖がる。また、「確認されていない」ことを「ない」と混同することも戒める必要があります。放射性物質の影響を知るためには、長期間にわたる取り組みと研究が必要だからです。チェルノブイリ事故の後処理は、25年たった今も続いています。福島第一原発を巡る取り組みも、今後、長く続きます。私たち一人ひとりに、放射性物質と正しく向き合い、それを乗り越えていく知恵と覚悟が求められています。

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時論公論「放射能とどう向き合うか」今夜23.50-24.00GTV生放送

今日はチェルノブイリ事故から25年。チェルノブイリでわかったことも織り交ぜながら、福島原発事故の放射能汚染がどうなっているのか、今後どう向き合っていけばいいかを解説します。

うまく時間があえば是非ともご覧ください。

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スタパ「原発避難基準 なぜ見直し」2011.4.20

(アナ)

先週11日、原発事故に伴う住民の避難範囲が新たに見直され、該当地区の住民が、この1カ月をめどに避難することになった。その内容と意味について。室山解説委員。なぜ今見直し?

(室山)

事故長期化で、状況が変化し、放出された放射性物質の分布がわかってきたため。

(P1

事故直後、住民の方々は、法律に基づいて、緊急避難的に避難した。その結果、同心円の避難区域ができた。原発から20キロ以内は避難。20-30キロは屋内退避となった。しかしその後の測定で、必ずしも同心円と同じパターンで分布しているわけではないことがわかってきた。

(めくり)

これは福島大学が最近実測した放射性物質の分布地図。同心円外に広がっている。原発からの放射性物質が風にのって飛んできたのではないかと考えられている。政府が試算した1年間の積算線量予測図をかさねると、等高線上の数値の分布図になる。その結果、年間積算20ミリシーベルト以上の場所を「計画的避難区域」とし、1か月後をめどに避難することになった。また20-30キロの範囲で、計画的避難区域でない場所は「緊急時避難準備区域」とし、今後緊急時には、屋内退避、自力避難そう流す。そのために避難の準備をと呼びかけることになった(自力避難困難な人(妊婦、子供、入院患者など)は事前に避難を促す)。

(アナ)

なぜ20ミリシーベルト?

(室山)

放射線の人体への影響をみると、年間100ミリシーベルトが目安。ICRP勧告(2007)によると、原発事故などの緊急時被ばく量は、一般時の場合、20-100ミリシーベルトにとどめるべきという数字がある。今回は、その厳しい方の数字の「20」を採用した。

(アナ)

避難はどのような状況になっているのか?

(室山)

ひとことでいうと、課題山積。そもそもどのような方法でどこに避難するのか。受け入れ態勢をどうするか?家畜や田畑はどうするのか?寝たきりのお年寄りや事情がある人はどうするのか?など、政府の説明に対しても「不十分だ」という批判が出ている。また補償の問題や、いつ故郷に帰れるのかなど決まっていないことが多く、調整が続いている。

(アナ)

故郷に帰ってきたとき、どのように暮らしたらいいのか?

(室山)

一般論だが、土地が放射性物質で汚染されて時の対策の事例がある。これを参考に福島方式を模索する必要がある。まず「詳しい放射能地図」をつくり、対策の科学的根拠とする。次に、例えば放射性セシウムに汚染された土壌は、汚染が少ない時は「攪拌」して、濃度を減らす。汚染が激しい場合は、「表面の土を数センチはがす」「上下を入れ替える」などをする。また地下水や水道水などの水の管理、避難した住民の健康チェックなども必要。そして一刻も早く「環境を元に戻す」ことが必要。セシウムは時間がたつと土壌の粒子に吸着するため、早めの対策が有効。避難の期間を短くするためにも、環境の復元の行動を同時に行うことが必要。当然ながら原発からの放射性物質の放出を止めることが大前提となる。

(アナ)

ありがとう。

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スタパ「原発避難基準なぜ見直し?」2011.4.20(水)13.40過ぎから7分間

福島原発事故では、いままで、 周辺20キロ以内が避難、20-30キロ内は屋内退避だったが、事故の長期化とともに、放射能汚染地域が、実際は、同心円と違う形だとわかり、原発から20キロ以上でも放射線が20ミリシーベルト以上は、1か月をめどに避難することになった。避難基準はどう変わったのか。その背景と今後の見通しを解説します。

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時論公論「“災害弱者”を守れ」2011.4.5

東日本大震災が起きて、3週間が過ぎました。1万2000人をこえる命が失われ、1万5000人もの人が行方不明となっています。そして、今だに、16万人以上の人たちが、過酷な避難生活を続けています。

その中で、助けを求める声をあげられない人たちがいます。障害がある方、認知症のお年寄り、難病の方など、いわゆる「災害弱者」と呼ばれる人達です。

環境の変化になじめず、ストレスの影響を受けやすいため、一般の人よりも、さらに危険な状況に陥りやすい傾向があります。

今夜は、「災害弱者」と呼ばれる人たちを、どう発見し、守っていけばいいかを考えます。

起こった悲劇

先月末、福島県から新潟に避難していた62歳の女性が、早朝、道端で倒れて

亡くなっているのが発見されました。

認知症で、道に迷ったのち、凍死したものとみられます。家族5人と福島県内の避難所を転々としたのち、新潟の避難所に移ってきたばかりでした。

受け付けを終えた直後、突然姿を消して行方不明となり、悲劇が起きました。

認知症の方の支援は、家族や社会の理解の中で、きめ細かく行うことが必要です。しかし、災害が、家族を地域社会から孤立させてしまいました。この悲劇は、弱い人たちを守るために、社会の絆がいかに重要かを物語っています。

避難所の「災害弱者」

(V1

被災した人たちを守る最後の砦は避難所です。

現在、岩手、宮城、福島の3県だけでも、1100か所をこえる避難所がありますが、多くの人たちが狭い場所に密集し、栄養が偏り、体調を崩しやすい状況になっています。

環境が日に日に悪化しているところもあり、断水で、水が流せないため、トイレに行くのを我慢する人が多くなっています。トイレを避けたり、水分を取らずにいると、

「血栓」ができやすくなり、脳梗塞や心臓疾患の原因となります。そして、最近は、亡くなるお年寄りが目立ち始めていることが報告されています。

このような状況では、避難所で暮らす人たちは全て「弱者」といえるかもしれません。しかし、その背後で、さらに強いストレスにさらされている人たちがいることも事実です。

避難所の「弱者」を助けよう

目が不自由な人は、乱雑に置かれた荷物につまづき、けがをする危険性が、常にあります。

耳が不自由な人は、音声情報が不足するために、重要な情報を聞きとれず、孤立しやすい状況です。

自閉症など発達障害の人は、混雑と人ごみのストレスからパニックを起こしやすく、つきっきりで介助する家族の疲労は、極限に達しています。

お年寄りでは、認知症の症状が悪化し、

迷惑だから出ていってほしいと言われ、1週間で7回も避難所を変えた人もいます。

また、自閉症の子を持つある家族は、行き場がなく、車の中で暮らし続けたといいます。

避難所の中で、なんとかうまく共存する方法はないのでしょうか。

周囲の人が「困った人」だと思っている人は、実は「困っている人」なのです。

わずかな支援をすることで、驚くほど改善し、落ち着いた生活をすることができるのです。

(P)

「体が不自由な人」には「移動しやすい環境の整備」が必要です。避難所の荷物の配置を、少し変えるだけで空間がつくれます。

「視覚障害の人」には、放送やハンドマイクでの音声連絡が有効です。

「聴覚障害の人」には、情報を文字にして壁に張ったり、筆談や手話も有効です。

「知的障害や認知症の人」には、身ぶり手ぶりや絵を使って、わかりやすく、ゆっくりと伝えることが大切です。

「発達障害の人」には、不安を減らすために、わずかな仕切りを用意したり、入浴時は同性の人が付き添うと落ち着きます。そして「してはいけない」と否定せず、「こうしたら」と具体的にアドバイスすることも有効です。

たくさんの人が暮らす避難所で、障害の特性を理解し、支援するのは難しいかもしれません。しかし、まず大切なことは、「その人が困っている」ことをみんなで共有することです。本人や家族は、小さな声でもSOSを出し、周囲は、その声に耳をそばだて、聞き取ることが大切です。

福祉避難所は機能しているのか?

このような弱い立場の人々を、専門の避難所で守り、介助していくことはできないのでしょうか。

実は、今から16年前、阪神淡路大震災をきっかけに「福祉避難所」と呼ばれるものが生まれました。(P)

災害が発生したとき、障害者やお年寄りなど、支援が必要な人たちを専門に受け入れる施設です。

自治体があらかじめ決めておいた施設を開放し、介護が必要な人たちのケアにあたるために、看護師やヘルパーを配置します。

(V2

仙台市は、災害前に市内52か所の施設を、福祉避難所に指定するなど準備していました。しかし、震災で一部の施設や職員が被災したこともあり、立ち上げが遅れました。懸命な努力の末、現在30か所まで開設できていますが、一時は、数え切れない入所希望に対応しきれず、少ないスタッフで、物資不足や医薬品の不足、停電の中での、苦しい活動が続きました。

しかし、現実には、福祉避難所を準備していた自治体は少ないのが現実でした。

急きょ「福祉避難所」を設けた自治体もありましたが、病院の患者や、被災した人たちが次々と運び込まれ、本来の機能を果たすことができなくなりました。災害時に「福祉避難所」を十分に機能させるためには、日ごろから体制を確立させておくことが必要だということが、改めて浮き彫りになりました。

できることから始めよう

災害時に最も守られるべきは、弱い立場の人たちです。

避難所で暮らす人々は、何をどのように協力していけばいいのでしょうか?

最近、「災害弱者」という呼び方をやめようという専門家が増えています。「災害弱者」と呼ばれる人たちは、決して全面的に弱いのではない。適切な支援さえあれば、

すぐれた能力を引き出し、社会に貢献できる強さを持っているというのです。

(V3

宮城県女川町(おながわちょう)の小学校では、中学生の自閉症の少年が、ラジオ体操のピアノを弾く役割を果たしていました。避難所の運動不足をなくすため、みんなでラジオ体操を始めようとした時、引き手がいなくてこまっていたところ、ピアノが弾ける少年が名乗り出たのです。彼は、津波で自宅やピアノ、そして大切なおばあちゃんを失っていました。母親は、避難生活のストレスで、自閉症の症状が悪化するのではないかと心配しましたが、自らピアノを弾くことで、災害に向き合い、逆に、その姿勢が周囲の人たちを励まし、勇気を与え始めたのです。

人のきずなこそ再生へのポイント

自閉症の人は、音楽や絵画など特殊な能力を発揮することがあります。コミュニケーションが苦手でも、ち密な作業を見事にこなしたり、我慢強く力仕事を続けることもできます。

他の障害と同じように、「困っている部分」を少し支援してもらえれば、立派に社会に貢献することができるのです。

助けられる側から、助ける側に自らを切り替え、周囲との絆の中で、さらに弱い立場の人をすくいあげていく。そういう連鎖をつくり出すことができるのです。

ピアノを弾いた少年の姿は、被災地がこれから直面する、将来の町作りや地域つくりに、重要な示唆を与えているのではないでしょうか。

震災から間もなく1カ月。

これからは、被災者の体にかかわる医療活動とともに、心に関する医療支援をさらに進めることが必要です。そして、被災者自身が立ち上がれるように、地域復興にむかうための仕事を、もっとつくり出すことも重要です。

被災しなかった地域に住む、私たち市民が、なすべきことは、自らができることを見つけ、被災地で苦闘している人たちを孤立させず、つながることによって、未来に向かって手助けをする。

その持続的な覚悟を、自らに問うことではないでしょうか。

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スタパ「どこまでわかった?放射線の影響」2011.4.7(7分)

(アナ)

福島第一原発事故で、飲料水や野菜、魚から放射性物質が検出されるなど、混乱が続いています。放射線と人体への影響はどこまでわかっているのか?室山解説委員。それにしてもわかりにくいですね。

(室山)

放射線は未知の部分が多く、わかりにくい。今日はわかっている部分を整理してみる。(P1まず、「安全基準」の根拠についてモデルで説明してみる。Aという毒性がある物質の場合、影響が急に高くなる部分(しきい値)がある。この場合安全基準がつくりやすい。しかし、放射線の場合、100ミリシーベルト以上は人体への影響がわかっているが、それ以下ではわからない。そのため低線量被ばくについては、100ミリシーベルト以上の線を同比率でのばしてグラフを作っている。これを直線仮説という。フランスなどはしきい値があるとみて研究を進めているが、有効な数値はまだ提示されていない。ということで結局世界の基本的な考え方は、しきい値のない直線仮説に基づいていることになる。

その考えに立てば、「放射線はできるだけ浴びないにこしたことがない」という考えも導き出される。

(アナ)

具体的にはどんな人体影響がでるのか?

(室山)

放射線の影響にはいろいろなレベルがある。全身への外部被ばく(1回)で考えた時、1000ミリシーベルトを超えると、吐き気などの急性症状が出始め、さらに高線量になると、死につながる。100ミリシーベルトが緊急作業員の被ばく上限(年間)だが、それ以下だと、日常的に体験するレベルに下がっていく。

(アナ)

食品の安全性は?

(室山)

現在「暫定基準値」が設定されているが、厚生労働省データをもとに、食品安全委員会がこのグラフで表示できる数値に換算したものを放射性ヨウ素で見ると、野菜や魚介類1kgあたり0.032ミリシーベルト。水道水や牛乳で0.005ミリシーベルト(大人)。急性症状が出るレベルでは全くなく、1キログラムの大量摂取や、放射性ヨウ素の半減期が8日間だということを考えると、基準値に基づく出荷制限など、ルールさえ守っていれば、心配しなくてもいいレベル。

 低い。

(アナ)

将来がんになる心配は?

(室山)

ICRPの発表した数値から見ると、外部長期全身被ばくの数字で、がん罹患率は、100ミリシーベルト。0.5%増加。10ミリシーベルト。0.05%増加。

1ミリシーベルト。0.005%増加となる。日本人のがん罹患率が半数近いことを考えると、たばこやその他のがんになる原因のリスクに埋没してしまうレベルで、過敏になる必要がないと考える専門家が多い。

(アナ)

今後どうすればいい?

(室山)

(はりつけ)

私の意見には2つの前提がある。ひとつは「放射線量を速やかに測定、公表、対策を打つ」こと。もう一つは、「原発からの放射性物質放出ストップ」。このふたつが行われないと意味がない。一刻も早く解決してほしい

(アナ)

ありがとう。

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スタジオパーク「どこまでわかった?放射線の影響」4/7(木)13.40すぎから7分間生放送

「ただちに影響がない」とか、なんだかわかるようでわからない放射線の話。どこまでわかってどこからわからないのか。いろはに立ちかえって解説してみたいと思います。専門家の間でも意見が微妙に違う部分もあり、正直な話難しいですが、できる範囲で頑張ってみようと思います。お時間があれば、是非ともご覧ください。

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時論公論「災害弱者を守れ」本日4月5日深夜0時5分から10分間

番組のお知らせです。本日4/5深夜0時5分から、時論公論「災害弱者を守れ」を解説します。

避難所では栄養不足から高齢者の死亡なども伝えられていますが、自ら声を上げることができない障害がある方、認知症の方、難病の方などいわゆる「災害弱者」の方々をどう守るかが問題になっています。その現状となすべきことを解説します。

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