和田勉さんから教わったこと2011.1.18
演出家の和田勉さんが亡くなった。「天城越え」「ザ商社」など数々の名作を手がけた、NHKを代表する名物ディレクターだった。僕がまだ新米のころ、和田勉さんの演出論を聞いたことがある。和田さんは演出するとき、まず役者に箸の上げ下ろしまで細かく指示を出し、演技を押し付ける。その強制を単に盲信する役者はダメだという。一生懸命に演出意図を守ろうとしながらも、どうしてもそのように演技できないと苦しみ、自分の生理と演出の間で格闘する役者を、実は待っているのだと言っていた。管理し、命令し、巨大な壁を作るが、その壁の意味を理解しつつも突破して、創造的行為に及ぶ人間こそ本物だというのだ。僕はその時、和田演出の中心にある、非常に硬い核に触れた気がして感動した。僕はドラマでなくドキュメンタリーの道を歩んだが、和田さんには大きなことを教えられたと、勝手に思っている。和田さん。長いことお疲れ様でした。ご冥福を心からお祈りします。
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