テレビマンの育児日記2「みんな違ってみんないい」2010.11.28
私は、COP10の取材を通して、「多様性」の大切さを学びました。なぜ生物が多様化してきたのかというと、環境の激変にも生物全体として耐え、生き延びることができるからです。船室がひとつの船よりも、いくつもの船室に分かれているほうが、座礁したとき沈まないように、生物も多様なほうが、環境の変化に順応し、生き延びることができます。会社も、様々な能力の社員がいるほうが、経済社会の激変に適応し、新しい商品開発ができるし、農業だって、単一作物の巨大な農地よりは、複数の作物をモザイク状に植えた農地のほうが、害虫の被害を最小限にとどめることができます。こう考えると、「多様性」は、生物が長い歴史で生み出した、絶妙のメカニズムだといえます。この原理は、私たち人類の存在の根底にも、きっと流れているはずなのです。
私は「みんな違ってみんなイイ」という言葉が好きです。人間社会にも様々な文化や個性があり、それぞれが共鳴しあい、影響しあい、共存することが大切です。しかし、残念なことに人間は、現代文明で社会を均一化し、多様性を失う方向にあります。私たちは今、「生物多様性」という言葉をもう一度噛み締め、その中に秘められた普遍的な意味を、読み取る必要があるのではないでしょうか。社会に様々な個性の市民が暮らし、異なる文化を尊敬し、協調しあう社会に、私たちの子供は生きていてほしいと思うのです。
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