« スタジオパーク「生態系の値段は?」9/27(月)13.40すぎから7分間(総合テレビ) | トップページ | 地球2万805回転の人生 »

スタパ「生態系の値段は?」(2010/9/27)

(アナ)

10月に名古屋で開かれるCOP10(生物多様性条約締約国会議)にむけて、「生物多様性の価値」(生態系サービス)をお金に換算し、経済活動や政策につなげる発想が注目を集めている。室山解説委員。どんなこと?

(むろ)

現在の生物は、確認されたもので175万種。未知のものを入れると3000万種-1億種とも言われている。これら生物は、生態系を通じて相互に恩恵を与えあっており、人間も例外ではない。われわれは、いままで生態系サービスをタダと錯覚してきたが、その生態系の価値をお金に換算し、一つの指標にしようというユニークな発想が出てきている。沖縄のサンゴ礁を例に紹介すると、サンゴ礁にはさまざまな機能がある。台風時の波などから陸を守る防災機能が年間600億円。有機物の分解など海水の浄化機能が5億円。サンゴ礁が生み出す観光価値は2300億円。

合計で年間約3000億円もの価値がある。このことは、沖縄のサンゴ礁は、コスト3000億円をかけて守る価値があるということを示している。COP10では、このようなデータが、世界規模で出てくる予定。

(アナ)

この考え方が出てきた背景は?

(むろ)

生物多様性の危機が背景にある。生物誕生後、過去、生物種の絶滅は5回あった。(最後の絶滅が6500万年前、恐竜絶滅のとき)。現在の絶滅は6回目だが、規模も性質も全く違う。たとえば、6500面年前のものは、平均して、1000年に1種の絶滅スピードだったが、現在のものは1年に4万種絶滅という推定もある。またかつての絶滅の原因は自然現象だったが、現在は人間活動が原因。その意味でも対策が急務といえる。

(アナ)

世界全体の生態系の価値は?

(むろ)

1997年の報告によると、「海」「森林」「川、湖」などの、地球全体の生態系サービスは、合計33兆ドル(4199兆円)。この年の、世界のGDPは18兆ドルだったことを考えると、巨大な価値。国連発表によると、その価値が、人間活動で年々失われ、損失額は、年間170兆円から380兆円という深刻な状況。

(アナ)

どうしていけばいいか?

(むろ)

この「ものさし」を使って、いろいろな政策の成果を確認することができる。日本の例をご紹介。たとえば、兵庫県豊岡市のコウノトリ復活の試み。コウノトリは、豊かな生態系がなければ生きていけない。その意味で、コウノトリがいるかどうかは、その環境が豊かかどうかのシンボルでもある。そのコウノトリが、効率重視の農法(「農薬」「水路コンクリート化」「乾田化」)を続けてきた結果、コウノトリが絶滅してしまった。そこで、「減農薬栽培」「冬期たん水」などに農法を変え、生態系を復活させ、ついに、コウノトリを44羽まで復活させることに成功した。その経済効果を計算してみると、無農薬米は、ブランド米として、54%高値販売され、エコツーリズム関連施設(コウノトリの里公園、文化館等)によって、約80億円が投下され、観光客が約10億円のお金を落としていった。その結果、市の経済規模は1,4%増大。環境保護と経済を両立させた例として世界から注目され、賞賛されている。

(アナ)10月の名古屋のCOP10の見通しは?

(むろ)

先進国と途上国の対立が深刻で、難問が多いが、今回紹介したような指標を開拓し、協力して進んでほしい。しかし当然のことだが、自然の価値はお金のみでは測れない。定量化できない価値も含めると、自然や生物の価値は計り知れないものがある。人類共通の資源の生物多様性を、世界が協力して守る議論を展開してほしい。

(アナ)ありがとう。

|

« スタジオパーク「生態系の値段は?」9/27(月)13.40すぎから7分間(総合テレビ) | トップページ | 地球2万805回転の人生 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537018/49584982

この記事へのトラックバック一覧です: スタパ「生態系の値段は?」(2010/9/27):

« スタジオパーク「生態系の値段は?」9/27(月)13.40すぎから7分間(総合テレビ) | トップページ | 地球2万805回転の人生 »