スタパ「国産ロケット通年打ち上げへ」2010.8.24
(アナ)
種子島宇宙センターなどから打ち上げられる国産ロケットは、周辺の漁業との関係から、年間の打ち上げ期間が制限されてきましたが、このほど、交渉の結果、来年度からの通年打ち上げができることになりました。室山解説委員。どういうこと?
(むろ)
日本のロケット打ち上げは2か所から行われています。(P1)ひとつが、種子島宇宙センター(大型ロケット。実用衛星の打ち上げ)もう一つが、内之浦宇宙空間観測所(観測ロケットの打ち上げ)この周辺はカツオ、マグロ、サバ、アジなどが取れる行質な漁場でもある。ロケット打ち上げのときは、万一の場合、落下物の危険性があるので、一定期間、船舶立ち入り禁止海域を設けてきた。
(アナ)
どのくらい制限?
(むろ)
(はりつけ)現行では、打ち上げ期を夏と冬190日ほどに設定してきた。しかし、今回の漁業関係者との交渉で、地元事前協議を前提に通年打ち上げが可能になった。
(アナ)
背景は?
(むろ)
(はりつけ)大きな背景として、「世界のロケット打ち上げ競争の激化」がある。衛星打ち上げビジネスは、打ち上げ期間に制限があるとどうしても足かせとなり、「解除」は宇宙開発関係者の悲願だった。さらに、国産ロケット連続成功や、はやぶさ、希望などの日本の宇宙開発の活躍で、漁業関係者の間で、宇宙開発に対する理解が深くなったことも挙げられる。
(アナ)
世界の打ち上げ基地の状況はどうなっている?
(むろ)
(P2)世界には主な打ち上げ基地は20か所あるが、新しい打ち上げ基地の建設ラッシュ状態になっている。背景には、各国が宇宙開発の意欲を示し、世界の宇宙産業の売り上げが、年間7%成長していることもある。
(アナ)
日本のライバルロケットは?
(むろ)
(はりつけ)世界の商業衛星打ち上げは年間約30機。そのうち、アリアン(欧州)。プロトン(ロシア)が全体の2/3を独占。残りの国が残った1/3を取り合っている。日本のH2Aロケットは、11回連続成功で、成功率94%と世界レベルになったが、打ち上げ回数が少なく、今後の実績つくりが重要。
(アナ)
通年打ち上げの効果は?
(むろ)
宇宙ビジネスを進めるうえで、「タガ」がとれ、交渉がやりやすくなるだろう。また、惑星探査のターゲットも広がるなど、効果が期待できる。
(アナ)
今後の課題は?
(むろ)
種子島宇宙センターの老朽化など、環境整備も必要かもしれない。またロケットそのものの成功率の向上や、コストダウンなどやることは多い。そして何よりも、漁業関係者との信頼関係をきちんと築き、情報の透明性をあげながら、安全で確実な打ち上げを積み重ねることが重要だと思う。
(アナ)
ありがとう。
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