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「湯けむりの里にロボットのドラマを見た!」2008.10.19(日曜日)

抜けるような九州の秋の空、あたりに温泉地特有の硫黄のにおいがただよう大分県別府市で、高専ロボコン2008九州大会が行われました。私はその大会に招かれ、中継録画の「解説」をすることになりました。2000人以上も入ろうかという会場に、九州地区各県から、高専生手作りロボット20台がずらりと並び、汗と涙と興奮に満ちた激戦が展開されました。今年のテーマは「Robo-evolution 生命大進化」。対戦チームは、赤チームと青チームに分かれ、4本以上で歩く「多足ロボット」でスタート。障害物のパイロンをぐるりと回り、高さ20センチの山を越え、2足歩行ロボットに変身後、立ち上がって2本足で歩きながらゴールインするというもの。まるで昆虫や牛や馬が、人間に進化し、ゴールするように見えることから「生命大進化」と名付けられたわけです。2足歩行ロボットの製作は、ロボコン史上21年で初めて。高度な技術が要求されるため、高専生たちの半年のロボットづくりの緊張と激闘はいかばかりであったでしょうか。「2足歩行ロボット」はロボット工学者の夢。鉄腕アトムにあこがれた日本の科学者技術者が、その技術と研究を練り上げ、世界をリードするヒューマノイドを目指して、日夜奮闘努力をしているのです。2足歩行とは、それほど高度な技術と発想がなければできないものなのです。

その2足歩行ロボットを、あろうことか、最初は多足ロボットでスタートし、障害物を超え、変身し、2本足で歩いてゴールインせよという、破天荒きまわりないルールがあたえられたのです。「どうつくればいいんじゃい!」と専門家でも頭を抱えるほどの内容なのです。しかしその不安は払しょくされました。

そこはロボコン21年を乗り越えてきた高専生たち。思いもかけないロボットを完成させてきたのです。大きなゲジゲジのような形でかしゃかしゃと素早く歩き、山の上に大きな橋をかけたとみるや、子機を滑り出させ、見事に着地。あれよあれよという間に人の形に変身し、大魔神のように立ちあがり、のっしのっしと歩くさまは、思わず拍手せずにはおれませんでした。今回参加の20チームは、それぞれユニークなマシンばかりでしたが、若者特有の夢とみずみずしいアイデアに満ちたものばかりでした。優勝は沖縄高専の「movement」。

恐竜型の4足歩行のマシンで、巨大な卵を滑らせるように山越えさせ、卵の中から肉食獣が誕生。雄たけびを上げながら、恐竜特有の2足歩行で、あっという間にゴールインする姿は圧巻でした。このほかにも立ち上がると4mにもなる巨大なキリン型ロボット。かわいいメジロがダンスをしながら移動するもの。2人のかごかきが運ぶ、重厚なかごからあらわれた篤姫さまが、すっくと立ち上がり、高貴にゴールインするもの。山越えをジャンプしようとして失敗するもの。倒れても倒れても起き上がる感動スポ根型ロボット。黒豚とんかつをもち、客席に向かって暴走するシュールな西郷人形など、客席はやんややんやの拍手と、笑いと歓声の渦に包まれました。激しい戦いは5時間続き、ついに競技終了。全国大会に参加する4台のマシンが決まり、ロボコン九州大会は夕闇せまる湯けむりの里の風情の中で、終了していったのです。「こりゃあ、今年の全国大会は面白くなるぞお!」私は、ときめく胸を押さえながら、一人そうつぶやきました。(各地区大会の様子は11/16(日)13.05-13.59に各地区のGTVで放送。全国大会は11/23日(日)国技館で開催され、12/30(火)21.15-22.24GTVで全国放送されました。)

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